公共交通は人権である

暮らしの足を考える研修会in豊岡が最後のまとめとなる。
磐田市の北部に位置する旧豊岡村を母体とする研修である。先回、豊岡南・北・東部・そのほか豊岡全域と4つに分けてワークショップしてまとめたものをプレゼンする。
豊岡南は、テーマは通院。買い物場所はあるが、通院に困るとの声がある。医者と地域が一体となる提案である。医者が車両や維持経費を負担し、地域が運転と予約管理するNPO法人を立ち上げる。しかし、後のアドバイスで中々、医者が車両等に関わることは難しいし、日本全域でもその様なケースはないとのこと。課題は利用者の制限。
豊岡北のテーマは買い物。南にある大型商業スペース ベイシアや元気村への買い物への足の確保。社協が中心になり、人と車両・しくみを地域の中で構築していく提案。支える人は、運転する人や地域ボランテイア、しくみとしては週2回の定期便・予約制、有償など。車両は地域か個人の所有車など。課題は、運転ボランテイアや地域ボランテイア。
豊岡東は地形上、財産区などがあり公共交通の空白地である。テーマは基本の生活行動を支える。買い物は昔の「御用聞き」を地域のお店の方々が必要な方々を回る。生協の地域定着が提案されたが、アドバイスの中で、生協は民間であり、資金面でユウがあれば、地域の支えになれるが中々難しいのでは、との指摘がある。また、月1回の地区社協でのバスの買い物ツアー。今後、豊岡東幼稚園・小学校の北幼稚園・小学校との統合もあり、通学バスの確保が課題である。また、財産区など山間部など僻地んお交通弱者対策が大きな課題であるとのこと。
豊岡全域では、地区社協(豊岡支所内)・利用者・行政の三者が連動して仕組みをつくる。利用者は予約制・無償・申し込み時有料。ここでアドバイスの中で、申し込み時は登録であり、どんどん周知され広げていかなくてはいけないので、登録に有料は不適であると指摘される。
また、福田から出席された方から、来年度自主運行バスがなくなり、デマンドになるにあたって高齢者サロン利用者がサロン代金以外に、今までは往復200円だったのが、デマンドになると往復1000円になるので考えないといけないとのお話を頂く。
前も講師として来て下さった、静岡文化芸術大学大学院教授 川口宗敏先生がアドバイザーとして入ってくださる。
要旨を書くと、
・公としてできるだけおさえる。補助は1回300円~500円。ただ、公共交通には行政の役割がある。
・運営主体はNPO法人が理想。金銭的安定、ボランテイア確保など会社経営と同じしくみである。もうからない組織を運営していく様なものとのこと。
・ヨーロッパ(ドイツ、フランス)は公共交通が進んでいる。市民の99%が公共交通の定期を持っている。しかし公共交通の収益は47%。交通基本法というのがあり、考え方としては、公共道路は税金対応なら、道路上を運ぶバスも税金でとのこと。日本では、公共交通を使わない人は税金での対応はNO!とのことだが、ヨーロッパは公共交通は当たり前の公共事業であり、人権(フランス)であると位置づけされているとのこと。
・日本は受益者負担という考え方が強い。
・有償か無償か。どういう運営主体か。がポイント
・実態調査をしては。(高齢者・子供の通学など)。自分達の地区がどうしたいのか!意見や要望をいっていくことが重要であり、行政は実態にあわせ、環境を作っていく。これだけお金がない時代ではあるが、マイカーのない人への対応は重要な施策であり、その要望を聞けないようでは民主主義の世の中として、劣勢な自治体であると名言。

公共交通はやはり、まちづくりそのものだと思います。交通弱者に優しいまちは、やはり人に優しいまちです。フランスの様な考え方ができる国は成熟した国です。やはり、助け合いを言っているようなまちづくりでは、まだまだですね。公共施策の方向性を考えさせられたセミナーでした。とても有意義でした。


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